「常橙の鼻」と呼ばれるこの地は、オランダ商館跡の北東隅にあたる一角に石積みの高台があります。 1616年(元和2)商館大増築の時、防波堤もかねて築造されたものです。 貿易華やかなだった頃は、灯台の役目をしていて、平戸港に出入りする船の航海の安全を図り、またオランダの三色旗(国旗)も立てられていました。 このことは、1669年(寛文9)に発刊されたオランダ人宣教師モンタヌスの「東印度会社遺日使節紀行」に掲載の平戸商館図に鮮明に描かれています。 1989年(平成元)日蘭修好380周年記念事業の一環として、高台に常夜灯が設置され、今でも淡い火影が夜の平戸瀬戸の波間にゆらいでいます。